日本国内だけではなく海外の国々でもキャッシュレス化を推進する動きが活発化しています。
日本は、海外諸国と比べてキャッシュレス化の対応が進んでいないと指摘されてはいますが、SuiCaや楽天Edyなどのスマホをかざすだけで利用できる電子マネーは広く利用されています。
電子マネーを利用するメリットといえば、買い物の手軽さと防犯性に優れていることが挙げられますが、このようなメリットを海外だからこそ利用したいと思われる方もいらっしゃると思います。そこで、今回は海外で電子マネーは利用できるか否か、今後どのような見通しになっているかについて解説します。
1.海外でスマホの電子マネーは使えるの?
海外でスマホの電子マネーが使用できるか否かについて解説します。
iPhoneで電子マネーは使用できる?
iPhoneで電子マネーを使用するためにはApplePayが便利です。ApplePayをSuicaやQuickPay、auWalletなどと連携させれば店頭での買い物や公共交通機関の乗車などがキャッシュレスでスマホをかざすだけで決済できます。問題はApplePayが海外でも利用できるか否かですが、結論から言えばクレジットカードとしてでしたらスマホ決済が使える店舗もあります。
具体的にいえば、ApplePayにMasterCardやJCBなどの海外での決済に対応したクレジットカードを連携させた場合に、海外でもスマホ決済が可能です。SuicaやQuickPayなどの電子マネーは2019年5月現在対応していませんので、あくまでクレジットカードとしてのスマホ決済ということになります。
Android端末で電子マネーを使用する方法
Andoroid端末の場合は、GooglePayというApplePayに似たサービスがあります。国内でのキャッシュレス決済という点で言えば、ApplePayが対応していない楽天Edyやnanacoなどの電子マネーにも対応しているため利便性が高いのですが、GooglePayの場合も海外では利用できません。
また、海外でのクレジットカードとの連携による決済という点でもGooglePayはApplePayに後れを取っています。Androido端末が搭載しているのは現状日本国内でしか利用できない規格のFeliCaであり、店舗に専用のリーダーがなければそもそもGooglePayが利用できないからです。
アメリカネバダ州のラスベガスモノレールの乗車券など、わずかながら電子マネーに対応していますが、2019年5月の時点では海外でスマホ決済ができる場面は限られます。
格安スマホ(格安SIM)は電子マネー非対応端末が多い
格安スマホの場合、そもそも電子マネーに対応していない機種が多いので注意しましょう。
というのも電子マネーを使用するための仕組みであるFeliCaは元々日本独自の規格なので、海外製品の多い格安スマホはFeliCa非搭載端末が多いのです。
2. スマホ決済の今後の情勢
近年FeliCaの国際基準が決められたり、2018年にGoogleがGooglePayを開始したりするなど、スマホ決済の状況が目まぐるしく動いている状況です。
スマホ決済の現状と今後の情勢についても紹介します。
中国などのアジアではQRコード決済が優勢
日本やアメリカでは利用率がまだ一桁台ですが、中国ではQRコード決済の利用率が98%にも上るというデータがあります。日本国内でもLINEPAY、楽天PAY、PAYPAYなどQRコード決済の認知度、利用率が高まっています。
QRコード決済は、あらかじめクレジットカードや店頭から現金をチャージして店頭でスマホをかざすだけで決済ができるという点で、用途としては電子マネーに非常によく似ています。
QRコードがすでに普及した中国はもちろんですが、LINEが浸透しているタイやインドネシア、台湾などに渡航する方はQRコード決済の活用が便利です。中国では、AliPayとWeChatPayが2強なので、いずれかに対応しているQRコード会社を登録しましょう。
欧米ではFeliCa対応に注力
欧米では、FeliCaが影響力を高めていく可能性が高まっています。
2017年のiPhone8以降、フェリカが海外モデルも含めてフェリカっ標準搭載となり、日本で電子マネーを利用する観光客が増えています(2017年:フェリカ利用者数が20%増)。
そして、上述の通り2018年にGooglePayがスタートしGoogleでもフェリカを重視する向きが強まっています。
現状は海外での電子マネーの普及にまでは至っていませんが、代金支払いの効率化や防犯性、さらには消費の活性化などを目的として世界的にキャッシュレス化が推進されています。現状FeliCaがその一番手にいることから、電子マネーという形をとるか否かは別として、スマホでのモバイル決済は今後数年で一気に広がる可能性があります。
3. まとめ
現状、海外で使用できる電子マネーはごくわずかであり、実質的にはポストペイド(料金前払い)としての電子マネーはほとんど利用できないという状況です。渡航先がアジアの場合には、QRコード決済を電子マネーのように活用できる場合もありますが、欧米ではQR決済はあまり浸透していません。
しかし、現状はクレジットカードとの連携にとどまる電子マネーも、iPhoneにフェリカが標準搭載されるなどモバイル決済が主流化していく動きはみられています。今後の新たなサービス展開など動向によっては海外でのスマホ決済がさらに便利になる可能性も期待できます。
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